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岩手県北・沿岸心疾患発症登録調査

 岩手医科大学医学部内科学講座心血管・腎・内分泌内科分野(旧第二内科講座)と衛生学公衆衛生学講座は、平成14年度から岩手県北地域(二戸医療圏、久慈医療圏、宮古医療圏)の主だった医療機関(下記参考欄A)と共同で、急性心筋梗塞症、うっ血性心不全、急性死の患者さんの登録調査を行っております。この調査の目的や概要などを以下に記載いたします。

目的

1.岩手県、特に県北地域および沿岸地域での心筋梗塞症・急性死とうっ血性心不全の発症状況を明らかにする。

2.同地域で実施されているコホート研究とリンクさせ心筋梗塞症・急性死とうっ血性心不全などの実態や発症要因や予測法を明らかにする。

  1. 3.必要に応じてその他の心血管疾患の発症状況などを明らかにする。

発症基準

1.上記地域(二戸医療圏・久慈医療圏・宮古医療圏・釜石医療圏・気仙医療圏)に現住所があり、急性心筋梗塞あるいは急性死、うっ血性心不全と診断された患者さんを登録する。

2.心筋梗塞症の診断基準:入院を必要とする症例で、WHO MONICA基準を満たすもので急性死を含む例を登録する。

3.うっ血性心不全の診断基準:入院を必要とする症例で、フラミンガムの診断基準で登録する。

  1. 4.その他の心血管疾患の診断基準は既報の論文などのものに準じて登録する。

発症登録の仕組み

1.参加施設の診療スタッフは心筋梗塞症、急性死、うっ血性心不全などで入院した患者について登録票を記載するために必要な事項を漏れがないようにカルテ内に記載する。

2.診療スタッフは、登録票を定期的に記載し、事務局に郵送で送付すよう努力する。これができない場合は、定期的に大学スタッフが各施設を訪問し、患者さんのカルテから登録票に必要事項を転記する。

3.大学スタッフが許可の下で、病院内で死亡診断書を確認記録する。これにより登録漏れの有無を確認する。

4.さらに、大学スタッフは当該保健所で死亡小票の閲覧を行い、登録漏れの有無を確認する。

  1. 5.個人からのインフォ−ムドコンセントは取らない

(参考)研究内容について病院内掲示版(病棟・救急外来)に研究内容の情報公開をする。個人からのインフォ−ムドコンセントは必須とはされていない(疫学研究に関する倫理指針; 文部科学・厚生省: 2002.6)

心疾患発症登録について

※参考欄

A .心疾患発症協議会メンバー

二戸医療圏  県立二戸病院   循環器科●
  県立一戸病院   内科
  県立軽米病院   内科
久慈医療圏  県立久慈病院   循環器科●
  国保種市病院   内科
宮古医療圏  県立宮古病院   循環器科●
  県立山田病院   内科
  近藤医院山田町   内科
  済生会岩泉病院   内科
釜石医療圏 県立釜石病院  内科・循環器科●
  せいてつ病院  内科
気仙医療圏 県立大船渡病院  循環器科●
  県立高田病院  内科
盛岡地区  盛岡赤十字病院  循環器科(上記の岩手県北・沿岸地域居住者のみ)
  岩手医科大学  心血管・腎・内分泌内科/循環器科/救急科(上記の岩手県北・沿岸地域居住者のみ)
その他 岩手県 (協力依頼)  
  岩手県医師会 (協力依頼)  
事務局 岩手医科大学衛生学公衆衛生学講座  
     ●はコアメンバー

B .個人(患者さん)の情報保護

1.個人情報の転記は、各診療施設内で漏洩のないよう厳重な管理下で行う。郵送は書留便または手渡しで事務局に送付する。事務局ではデータ管理室内のみで個人特定可能データを扱う。個人情報を特定不可能にした上で解析データセットを作成する。

2.個人情報を含むデータを提供する先はデータを提供した病医院に限る。データを疫学研究等の個人を特定するデータとして活用する目的で使用する場合には、同定する操作を事務局(岩手医科大学衛生学公衆衛生学データ管理室内)のみに限るものとする。また操作者はあらかじめ個人情報保護の遵守について署名捺印する。

3.登録協議会のメンバーが正当と認めたものが管理状況および管理体制について適正に管理されているか否かについて説明を求めた場合、事務局は直ちにデータの管理状況について説明する義務を負う。