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運動負荷試験

マスター二階段負荷試験(Master's test)

目的・対象

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 写真に示す高さ9インチ(約23p)の凸型階段を5歩で昇降するのを1回と数えて,年齢,性,体重で決められた回数を3分間で行うのがマスターダブルである。半分の回数を1分30秒で行うのがマスターシングル負荷である。当科では,若年者で運動能力の明らかに高い症例に行う場合として4分30秒50%増しの回数を行うマスタートリプル負荷や,高齢や整形外科学的障害で十分な負荷量を施行できない症例に対してはマスターシングルの50%の回数を45秒で行うマスターハーフなど設定して行っている。心電図は安静時,負荷直後,2〜3分毎に臥位記録し判定する。以前は検査中に心電図モニターや血圧測定をしないのが現状であったが,現在は運動中の12誘導心電図記録や血圧測定が可能である。検査後の記録は10分程度行い,検査に伴う重篤な心血管系変化のないことを確認した上で終了とする。負荷量が一定であり対象によっては過負荷,過小負荷になる欠点がある。マスターダブルで約6.5Mets程度の運動強度であり,その程度の運動能力のスクリーニングとしては使用可能だが定量的心機能評価には不向きである。その他応用として,施行する患者の体力や状態に負荷量をマッチさせるためにマスターハーフやマスタートリプルなども負荷プロトコールとしてはある。あくまでもスクリーニングレベルで用いるものであり,定量的運動負荷法としてはトレッドミルやエルゴメータでの負荷を推奨します。

Master二階段負荷試験の負荷回数

上嶋健治.運動負荷試験Q&A110.南江堂.2002.より抜粋